1Q84ニュース

『1Q84』の広告について

 昨年のちょうど今頃、私は『1Q84』BOOK1 BOOK2の広告アイデアを練っていました。今ではもう、この本をお読みになった方も多く、メディアでも多数とりあげられたので、「版元は本の内容を明かさないで欲しい」とは言われなくなりました。
 しかし1年前は、「何の予備知識もなく『1Q84』を読みたい」という声があり、それに応えるために、どこまで広告メッセージをだして良いのか、考えを巡らしていました。
 広告の目的はより多くの方々に本の魅力を伝えることです。秘められた魅力をコピーに託し、一人でも多くの方が本を手に取り、購読していただけるよう広告表現を考えます。ですから、何も伝えようとしない広告はそもそも広告として矛盾しているわけですが、『1Q84』の広告ではストーリーをいっさい明かさずにこの小説の魅力を伝えることにトライしました。
 発売広告では近過去について書かれた小説というメッセージ、2回目の広告では愛について、3回目は月について、4回目は始まりについて、それぞれ限られた字数のコピーにメッセージを託しました。幸いにして、多くの方々がこのメッセージを受けとり、本を手にとってくれました。またこの4点の広告は、読売出版広告賞の大賞を受賞しました。

20100414.jpg  今、私は4月16日掲載のBOOK3の新聞広告をチェックしています。
 もう買うことを決めている多くの方々、そしてどうしようか迷っている方も、ぜひ16日の広告をご覧ください。迷っている方が、広告を見て購読を決めていただけると、広告制作者冥利に尽きます。

 ところで『1Q84』の広告の背景に浮かんでいるピーナッツのような形の白いモヤモヤは何? という質問をよく受けます。あなたは何に見えますか。
 BOOK3を読み終った時、それが何であったか見えてくるかもしれません。

(広報宣伝部K)

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